8. 見習いプログラム
ここでは、ファントム・ハンズの工房の様子をご紹介しています。
今回は見習いプログラムについてのお話です。
–
2018年、ファントム・ハンズは籐編み見習いプログラムを試験的に開始しました。このプログラムが期待以上の成果を挙げたことをきっかけに、見習いプログラムを木工部門と木材研磨部門にも拡大しました。
原点
2018年、ファントム・ハンズでは伝統的に編みを生業としているコミュニティからの籐編み職人が不足していたことから、数人の若手の見習いを受け入れ、上級の編み職人の指導下に置きました。ファントム・ハンズが若手の見習いに期待したことは、基本的なスキルを身に付け、経験豊富な編み職人を補佐することでした。意外にも、見習いスタッフたちは材料の皮むきや準備など基本的なスキルを身に付けたばかりか、複雑な編みの技術も習得し、数か月後には座面や背もたれのすべてを自らの手で編むまでになりました。
上写真:籐をフレームの穴に通す作業を習得します。
見習いチーム
現在、見習いとして参加した若手の籐編み職人10人以上がフルタイムの従業員となっています。彼らの技能は、ファントム・ハンズで働く籐編みコミュニティ出身の編み職人より優れているとは言わないまでも同等のレベルです。見習いプログラムでは、若手の籐編み職人が専門的な工芸技能を習得するための支援をしています。若手の職人は技能を習得することで、籐家具が製作されている期間に生計を維持することができます。また見習いプログラムは、籐編みという手の込んだ工芸を守りながら、伝統的に籐編みを生業としていたコミュニティ以外へ広めるための手段として期待されています。
上写真:梱包部門としてファントム・ハンズに入社したマダブさんは、籐編みの習得に魅了されました。そのため彼を見習いに就かせることに。マダブさんは現在、ファントム・ハンズの最も優秀な編み職人の一人です。
上写真:見習い職人は、刃物や木製のくぎ、編みの工程で役立つ即席の道具などの使用方法を習得します。
上写真:見習いプログラムからファントム・ハンズのチームに参加したパヴィトラさんは、新たな見習いを指導するトレーナーに就きました。
プログラムの拡大
定期的に若手の見習いが籐編みプログラムに参加しています。プログラムが関心を集め、成果を挙げたことを受けて、ファントム・ハンズは見習いプログラムを木工部門と木材研磨部門にも拡大しました。
上写真:訓練1週目の木工見習い職人